秘密またはプライバシーの持つ価値

プライバシーを尊重することは、「礼儀として大切である」ということ以上 の意味があります。プライバシーの尊重は文化が生み出したものではなく、む しろ生物が生来持っている基本的なものであるようです。赤ちゃんでさえ、見 知らぬ人から近づかれると、怖くなくても顔を隠す様子が観察できます。  ですから、もって生まれた羞恥心、恥ずかしいという感覚は、内気で傷つき やすい領域に誰かが踏み込んできたときに、危険を知らせて送られる合図なの ではないでしょうか。過度に自分が露出されていると感じるときにそれから自 分を守る手段なのです。そのため、正しい羞恥心を保護することを目指したプ ライバシーの尊重は個人的人格と自我を保つために欠かすことはできません。 それは人間の精神の成長を助け、人生に深みを与え個人の尊厳を重んじる点で かけがえのない大切な事であるように思います。  誰からも入り込まれずに、独りで安全に過ごせる場所と時間、人間にはそれ が必要なのですが、機能不全の家庭では家族間の境界が不鮮明であり、このプ ライバシーは大切に扱われることが少なかったのです。