★グリーフ・ワーク(トラウマを思い出す・喪の作業)★
安全な場所の確保ができると、回復の作業の中核である「喪の作業」に入り
ます。治療者との間で行ったり、グループで行ったりします。失ったものを嘆
く時間や過程は絶対に必要です。この時に表れる悲しみや怒りを、周囲の人々
は、「大したことはない」とか、「過去にこだわるべきではない」と語って、
押さえるべきではありません。その時間を持てなかったことが問題だったので
すから。しかし、あまりに感情が激しい時には、ゆっくり時間をかけるように
助けてあげたり、医師の助けを借りて、薬を処方してもらって、それを一時的
に緩和することはできるでしょう。
①グリーフワーク(治療者と共に)
家族の写真
本人の選んだ数枚の写真が過去へとその人を引き戻すことがあります。
情緒の押さえられた回想
淡々と語られる回想を余り急がせては行けません。その人は危険を感じてい
るからなのです。その人の回復のテンポと話題についていくようにするといい
でしょう。
手紙に書かれた回想
手紙に書かれた回想は、きちんと読んで受け止めたことを示してあげる必要
があります。早まって、間違った感想を述べると「分かってもらえていない」
という幻滅を与えてしまいます。身近な存在に対しては愛と憎しみが混じり
合っていることも多いのです。ですから、親への忠節心が妨げとなって、十分
に自分の受けてきた傷を認めたり、怒りを表すことができない時もあるので、
「怒りの手紙」だけでなく「感謝の手紙」「今の自分の気持ち」の三通の手紙
を書くように勧めることが助けになることがあります。
ジェノグラム
ジェノグラムというのは家系図ですが、自分の直系だけでなく父母の兄弟や
その子供たちの関係を含めて広く作っていきます。そして誰と誰が仲が悪いな
ど人間関係も細かく調べていきます。この過程を通して自分の親に、親と深い
関係のあった人々との関係を尋ねたりします。それを通して、自分の家族のそ
れぞれが抱えてきた問題や、依存・共依存関係が分析でき自分を見つめる助け
になります。