トラウマが与える影響

トラウマとは心に受ける深い傷のことです。身体的な外傷が治癒するのに時 間がかかり、治った後も傷跡を残したり、神経の麻痺や運動の制限を残すのと 同じように、心の傷も目に見えなくても、癒されるのに長い時間を要します。 その上、傷跡を長く残してしまうこともまれではありません。 一度トラウマを経験すると、様々の症状が後から現れてくるのですが 大きく分けて「侵入性反応」と呼ばれる過剰な覚醒と活動過多を特徴とする症 状とその後に「感情鈍麻(どんま)性反応」と呼ばれる症状が現れるとされて います。 さて、子どもが親から受ける、身体的な暴力や性的暴力、そしてそれを直接 に受けなくても、それらを目撃するといった経験は、どれも強いトラウマであ り、深い心の傷を本人に与えます。(家庭内暴力)また、精神的な支えが得ら れず、感情的な必要が無視される経験(ネグレクト)も、将来に影響を及ぼす トラウマになります。  児童虐待というトラウマは深刻です。トラウマは、ただの一度でも精神的に 大きな後遺症を残す可能性があるのですが、それが家庭で毎日のように繰り返 されているのです。また本来、子供がトラウマを受けても、親や周りの人が慰 めればやがて心の中で整理され静まっていくものですが、家庭内のトラウマは 慰める人がいないことが多い のです。この様に繰り返されるトラウマによる障害を特に複合型PTSDと呼ぶこ とがあります。    自動リスト無限増殖ツールプレゼント!