なぜわたしたちは過度の罪悪感に悩まされるのかその1

 過度の罪悪感は問題があります。それは、私たちを価値がない、生きるに価 しない、人間のクズと断罪し続けるのです。正しい罪悪感と、過度の罪悪感と の間には大きな隔たりがあります。正しい罪悪感は人を罪から離れさせます が、過度の罪悪感はその人を罪に縛り付け、その人を一層の堕落へと導いてし まうのです。  わたしたちの多くは、どうして過度の罪悪感にとらわれやすいのでしょう か。一つには内面的理想像が混乱している事にあります。子供の頃、何か一生 懸命に努力しても親に満足してもらえないどころかその日の親の気分でどなら れたりした経験を持っているかもしれません。そうであると、非常に不安定な 親の感情を損なわないことだけ許されるという極端に狭い内面的理想像を造らざるを得なかったのです そし てこの理想像に合わせようと、自分は必死の努力をしたにもかかわらず、その 努力が評価されなかったり、「まだ足りない」といわれたり、「お前はダメ だ」と殴られたりしていれば、罪悪感にさいなまれるようになったとしても無 理はありません。