8)権威のある人たちを恐れること

 権威のある立場の人たちを恐れることは、親たちの非現実的な期待(わたし たちができる以上のことを求めたこと)の結果であるかもしれません。わたし たちは権威ある人たちを、その人たちがわたしたちに非現実的な期待を持って いるかのように思ってしまい、それゆえに、彼らの期待に添えないのではない かと恐れてしまいます。他の人が単に何かを主張しただけなのに、わたしたち はしばしばそれを怒りと誤解してしまいます。この事で、おどされたように感 じたり、過度に敏感になったりするかもしれません。自分がどのくらい有能で あるかに関わりなく、わたしたちは自分と他の人とを比べ、自分は不十分で不 適当であると結論するのです。結果として、わたしたちは、自分の能力を発揮 できないでいるのです。 権威のある人たちを恐れることは、次のような問題を引き起こしているかもし れません ・自分を他の人と比べる ・不適当、または無能であると感じる ・行動するより反応する ・批判や拒絶を恐れる ・物事を個人的に受け取ってしまう ・ごまかすためごう慢に振る舞う 例:わたしは上司を恐れている。なぜなら、わたしが自分のことをどれほど無 能だと感じているかを知られたくないからだ。この事は上司の近くにいるとき のわたしの動作に影響を与えている。この事は孤立の欲求をかきたてる。わた しは目立たないようにしている。この事はわたしに自分が大人気ない、未熟者 であるかのような気持ちにさせる。  権威のある立場にいる人たちと一緒にいて、楽に感じるようになり始めるに つれて、わたしたちは焦点を自分白身に合わせ、わたしたちには恐れるものは 何もないをことを発見するようになります。他の人たちもわたしたちと同じよ うな人間であり、彼らなりの恐れや防御や不安感を持っているのだということ が分かります。わたしたちが自分自身についてどう感じるかを、他の人の行動 が左右することは、もはやありません。わたしたちは、他の人に合わせて行動 するのではなく、(自分から)行動することを始めます。わたしたちは、究極 的な権威は神であり、神が常にわたしたちと共にいて下さることを認識しま す。 権威のある人たちと一緒にいて快適であるようになってくるにつれて、わたし たちは次のようになっていきます ・高まった自己評価をもって行動する ・自分自身のために立ち上がる ・建設的な批判を受け入れる ・権威のある人たちと楽に交際できる 凍りついた感情と無責任? 凍りついた感情  わたしたちの多くにとって、自分の感情を表現することは困難であり、感情が凍っていることさえ気づいていません。わたしたちは、深い感情的な痛みや、罪悪感や恥といった感覚を心に隠しています。子供のとき、わたしたちの感情は、非難や怒りや拒絶に出会いました。生き残るための目的で、わたしたちは自分の感情を隠すか、完全に抑圧することを学びました。大人になったわたしたちは、今も自分の感情に接触を持っていません。わたしたちは「安全」な場所にとどまり続けるために、「持って良い」感情だけしか自分に許すことができません。そうすることによってわたしたちは実際に起きている現実から自分を守っているのです。歪んだ、抑圧された感情は、恨みや怒りや抑うつの原因となり、しばしば身体的な病気を引き起こします。 感情が凍りついていることは次のような問題を引き起こしているかもしれませ ん ・自分の感情が分からない ・歪んだ感情を持っている ・人間関係で苦労する ・会話することを押さえてしまう ・抑うつになる ・病気になる 例:わたしは配偶者に対して感情を抑圧している。なぜなら、傷つけたくないからだ。この事はわたしの行動に影響を及ぼし配偶者とコミュニケーションするわたしの能力を制限している。この事はわたしの孤立する欲求をかきたて、わたしは鈍感で愛情がないと非難されるようになっている。この事はわたしを非常に孤立させ、孤独な気持ちにさせる。 自分の感情に触れ、それを表現するようになるにつれて、奇妙な出来事が起こり始めるでしょう。自分自身を正直に表現することができるようになるにつれて、わたしたちのストレスの度合いは低くなり、わたしたちは自分自身を価値ある者とみなすようになり始めます。自分の本当の感情を表現することは、人と対話するための健全な方法であることが分かり、自分自身の必要や欲求が更に満たされてきていることに気づきます。わたしたちがしなければならないのは、ただ求めることだけなのです。感情を解放し始める時、わたしたちはいくらかの痛みを感じるでしょう。しかし、勇気が増すにつれ、痛みは消え去り、平和や平安という感覚が培われます。自分の感情を進んで解放しようという気持ちが強ければ強いほど、わたしたちの回復はさらに効果的なものになるでしよう。 自分の感情を経験し表現するようになるにつれて、わたしたちは次のように なっていきます ・自由に泣くことができる ・自分の真の自己を経験する ・より健康に感じる ・自分の必要を他の人たちに表現する