児童期の子育て

「子どもは5歳ごろまでは温かい家庭で守られ,良い特質をはぐくむのも容易です。でも,いったん学校に上がると,行動や話し方が異なる人たちの影響にさらされます」。―バルター,イタリア。 子どもは成長とともに世界が広がり,その世界を知ろうとします。それまでよりも多くの人と接します。遊び友達や学校の友達も増え,親族との行き来もあります。上のバルターの言葉にもあるように,子どもはごく幼い時はもっぱら親の影響を受けるだけでしたが,大きくなると他の人からも影響を受けます。ですからこの児童期に,従うことや良いマナーの価値を教えることはとても大切です。善悪についての指針を与えることも重要です 聴くべき時 子どもは気が散りやすいものです。そのため,子どもと意思を通わそうとする時に,親には辛抱が求められるでしょう。子どもは一人一人異なるので,よく観察し,どのように意思を通わせるのがその子に最善かを見定めてください。例えば,英国に住む父親のデービッドはこう言います。「わたしが娘に何か言う場合,どんなことを話したか,もう一度言ってみるよう勧めます。娘は大きくなるにつれ,人の話をよく聴けるようになっています」。 惜しみなく許す 。他の人を進んで許そうとするあなたの姿勢を,お子さんにも見せてください。ロシアのマリーナという母親は,努めてそうしています。本人はこう言います。「人を許し,進んで譲り,腹を立てないという点で,夫とわたしは子どもに手本を示すよう心がけています。自分に落ち度がある時は,子どもたちに謝ります。他の人と接する時に,子どもにもそうしてほしいからです」。 仲たがいを解決し,許すことは,大人になってからも必要です。他の人を思いやり,自分がした間違いの責任を取るよう,今からお子さんを訓練してください。そうすれば,子どもが大きくなるにつれて役立つ,価値の高いものを分け与えることになるのです。 感謝 子どもは幼くても,良いマナーや他の人への思いやりを学べます。どのようにですか。カイル・プルエット博士はペアレンツ誌(英語)の中でこう述べています。「感謝する気持ちを育てるうってつけの方法は,家でその姿勢をたゆみなく示すことである。要は,自分が受けた助けや思いやりの行為にいかに感謝しているかを日ごろから言葉で伝えることである。……それにはかなりの練習が必要になる」。 英国に住む父親のリチャードはそのことを心がけており,こう語ります。「妻もわたしも,先生や祖父母など,親切にしてくれた人に感謝をどのように表わせるかを示しています。家族で食事に呼ばれた時は感謝のカードを書き,子ども全員が名前を記入したり絵を描いたりします」。礼儀や感謝を示すことは,子どもが後の人生で,他の人と長く続く親しい関係を築くのに役立ちま 懲らしめ 子どもが年齢とともに,行動には責任が伴うことを学ぶのは肝要です。子どもは幼くても,権威を持つ人に従う必要があります。それは家の中だけでなく,学校や地域社会においても言えることです。自分のまくものを刈り取るという原則を学べるよう,親は子どもを助けることができます 何らかの悪いことをしたら罰を与えるとはっきり伝えた場合,そのとおりにすることをためらわないでください。アルゼンチンに住む母親のノルマはこう語ります。「一貫していることはとても重要です。それが欠けると,子どもは自分の思いどおりに物事を運ぼうとします」。 従わない場合の結果を前もって理解させておくなら,子どもが何かまずい行動を取ったあとに親子の間で言い合いが起きるのを防げます。子どもはルールと,ルールを破った場合の結果とを知っているなら,さらには言い訳が通用しないことを知っているなら,むやみに反抗したりはしないでしょう。 もちろん,懲らしめが功を奏するには,怒りにまかせて与えてはなりません 懲らしめと言っても,残酷な罰を与えたり,身体面や感情面で子どもを虐待したりすることは,あってはなりません。 子どもの行動にあまりにもいらいらさせられる場合はどうでしょうか。ニュージーランドに住むピーターという父親は,正直にこう語ります。「自分を抑えるのが難しく思う時があります。ですが子どもは懲らしめが,行動の責任を問われて与えられたのであり,親が腹立ちまぎれに与えたものではない,ということを知る必要があります」。 ピーターは妻とともに,与えられる矯正の長期的な益を子どもが理解できるように助けています。こう述べています。「子どもたちが親をひどく失望させるようなことをするとしても,その悪い行ないをくどくど言い立てるのではなく,どう行動すべきだったかを話し合うようにしています」。 道理をわきまえていることには,子どもの尊厳を損なわずに矯正を与えることも含まれます。イタリアの父親サンティはこう語ります。「息子や娘をけなすことは決してしません。むしろ,根底にある問題点を見極め,それを扱います。ほかの人がいる前で懲らしめを与えたりはしません。兄弟の前でも極力与えないようにしています。さらに,人前でも,本人だけとの時にも,その子の落ち度を挙げてちゃかすということはしません」。 少し前に出てきたリチャードも,道理をわきまえた対応の大切さを理解し,こう語っています。「子どもが何かよくないことをするたびに罰を厳しくしてゆくことは禁物です。一度懲らしめを与えたなら,あとで蒸し返して落ち度を言い立てたりしないことは重要です」。 子育ては,自己犠牲が求められ苦労を伴うとはいえ,豊かな報いをもたらします。ロシアの母親エレーナもそう感じています。「息子と時間を過ごせるようにパートの仕事を選んできました。そうするには努力が求められ,収入も減りました。でも息子が喜び,親子の絆が強まったことを思うと,犠牲を払ったかいがあったと思います」。 ②LIMIT-SETTING(懲らしめ)一定の規範を認めさせる教育  家族、社会に適応させるためのしつけ、対人関係の取り方を教える  自分と他人の境界線を引く  行き当たりばったりでなく、一貫性を持つ、脅かさず、待つ  TIME-OUTを取る余裕  適度の挫折感は、精神的な発達を促すので過保護にしない 思春期のICのストロークと健全なガイドラインとは? 私のすることは私である。それが私の存在目的だからだ!私には今みつけることのできない私の部分がある。残されている私の部分だけで、それが私だとい得るのだろうか?どれほど親に引きずられたことか!私は心の故郷を捜し求め私を創造した本当の親の元に今もどろう!